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2009/06/30

『学校』 2

『機能的なのは動線の最短距離で、ある点とある点を結ぶことですが、ここでは(白浜中学校)逆に最大距離を歩かせるようなバイパスをつくってあります。それは土手や屋根の上、林の中に導く歩道です。授業とは別に、自分の好きなようにいろいろに行動し、思い、考えることができる場所なのです。学校と言うところは、授業ももちろんですが、それ以外で育てられることも重要です。悩む場所、考える場所、語り合う場所、そしてそこでの記憶が成長してからも残ること、それが学校建築には必要だと思います。』  池原先生の言葉です。

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目的地まで遠い・・・最短の距離で・・・このような考えで、大事なことを無くしていないでしょうか?
寄り道・・・些細なことかも知れない小さな発見に時間を費やす・・・一見、無駄と思われがちですが、大人にとっても、子どもにとっても豊かな、そのような時間が大切なのではないでしょうか?

   もう少し


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2009/06/29

『学校』

今日は、作業場を建設するための候補地を見せていただきました。ポッカリとそこだけ空が見える山の裾野です。気持ちのよい場所でした。

以前、取れると思っていた壁が駆体で取る事ができず、思うような空間にリフォームすることができなかったクライアントさんがおられました。買う前に相談があったならと残念な思いをしました。

クライアントさんが悲しむのは見たくありません。今度は、精一杯、お手伝いさせていただきたいと思っています。

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池原先生が設計された『白浜中学校』です。今年度を限りに壊されると聞きました。知る限り、池原先生が設計された建物で一番先に無くなることになります。1970年に竣工しているので、築後39年になります。

事務所に戻り、土がむき出しの工事後の写真を見ました。築後39年になる現在、中庭も緑に覆われ、建築と環境が一体になっているように思います。
しかし、そばで見るとコンクリートは大変傷んでいます。白浜中学校の。立地が海岸沿いで傷み易いのかもしれません。壊すことが決まり手を入れることをやめたのかもしれません。しかし、これらは大人の都合のような気がしています。

子どもたちが学び育つ『学校』と言う場でもあり、丁寧に直しながら大事に使うと言うことを知ってもらうためにも、もう少しきれいに維持しておくべきでは無いかと思います。
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2009/06/26

森を考える

木更津から館山道路を通り、白浜町から海岸線に沿って勝浦に向いました。その間、これまであまり見たことのなかった景色に気付きました。
車で東北道・関越道・北陸道・中央道・東名など通ったことがありますが、その時には感じたことがない『森の様子』です。

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広葉樹の森です。垣間見える森の中は、木立・木漏れ日といった様子ではなく、株立ち(根元から数本の幹が出ているような樹形)の幹が互いに絡まるように密生し、葉に覆われ、地面まで日が射すことがあるのだろうかと思われるような暗い森です。今まで見たことがなかったその様子を表現するとしたら『美しい緑だけれど、その下は不気味な森』です。

調べると、普通の木が株立ちになるのには、大きく二つの場合があるようです。
一つは、斜面地に育った場合です。根元に、『彦生え(ひこばえ)』と言われる新しい芽が出て、成長して株立ちになるようです。
もう一つは、人為的な方法で、ある程度成長した幹を根元で切ると、やはり、『彦生え(ひこばえ)』が数本出るのでそれを育てるようです。

♀が見た『不気味な森』は、急な勾配を持つ山でした。人の手が入っていない森かもしれません。もしくは、里山で、かつては人の手が入り伐採していたけれど、その後放置されたままの森かもしれません。

『自然のままの森』を見て、林業者の『手をかけなければ、豊かな森にはならない』と言う言葉を思い出しました。

   もう少し





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2009/06/25

設計者と住まうひとと 勝浦

池原先生が設計した勝浦の住宅で竣工が1977年です。延べ面積110㎡弱の建物ですが、まず、緑豊かなアプローチを通ることで街の喧騒をから気持ちを切換え、ゲートをくぐり、玄関へ向います。
『外から内へ、さらに内へ・・・奥に行くとさらに奥がある。・・・しかし最後は、奥があるのだけれど、そこには行くことができない。そんな深さを出したかったのです。』とは、池原先生の言葉です。

築後30年を過ぎて、植え込みが落ち着いたものになり、池原先生が思い描いていた空間が実現しているように見えました。また、この空間を維持し続けている住まい手には、尊敬の念が絶えません。

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ゲート、レンズがはめ込まれた玄関の扉・・・それらが、結界のような意味を持ち、通り過ぎることで『奥』へ入っていくことを感じさせているのでしょうか。



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2009/06/24

大多喜にて 2

梅雨の合い間、陽が射してきたことに気付き、洗濯をしました。半日ほど外に干したのですが、気持ちよく乾いていません。湿度が多く、風がなかったからでしょう。

住宅を設計する場合、空気の流れを考えます。風がない場合でも、異なる高さに窓があれば、温度差で気流が生じます。そのような場所に干すことができたら、洗濯物も気持ち良く乾きそうです。

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大多喜町庁舎のS字型の梁を持つキャノピーは、見る場所で、天井のふくらみが違って見えます。

庁舎には、改修工事コンペの提案が展示されていました。目を引いたのが、妹島さんの提案です。この人に話を聞いてみたいと思わせるような、美しいプレゼンテーションでした。その、立面に表現された増築部の天井は、今井先生が設計されたキャノピーの天井へのオマージュなのでは・・・と思いました。
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2009/06/23

大多喜にて

房総半島のほぼ中央の大多喜町の庁舎は、1959年(昭和34年)に竣工した建物です。今井兼次先生の元で池原先生が担当した建物で、1960年の建築学会賞を受賞しています。
築後50年経ち、この春、手狭になった庁舎の増築も含め、耐震改修・大規模改修の実施設計コンペが実施されました。

改修工事が始まる前に、そのままの庁舎を見学したいと思っておりましたが、やっと念願がかないました。

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印象的だったのが、庁舎の玄関ポーチのキャノピー(大庇)です。ダイナミックなS字の梁です。

新建築に寄せた今井先生の原稿が、最近出版された『今井兼次 建築創作論』にあります。それには、『庁舎においては三十余年も私の心の中に育成されていたアントニオ・ガウディの信仰的創造精神に作用されたからである。』とあります。
庁舎に何箇所かあるモザイクの壁については多く語っているなかで、ポーチの梁については、さらりと『このポーチの湾曲梁の蛇行曲線は建物全体に少しでも柔らかい要素を持ち込もうとした私の小さい願いの一つでもあった。』という一文だけですが・・・。

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2009/06/22

地図に残る仕事

亡くなった忌野清志郎の『昼間のパパは、ちがう。光っている。』という、清水建設のCMが流れていたころ、大成建設でも『地図に残る仕事』というCMが流れていました。どちらも、ゼネコンのCMの中では、好きなCMです。

房総半島の南側へ行くことになり、地図を見ると川崎から木更津まで一直線のアクアラインが目に入ります。瀬戸大橋を渡ったときも思いましたが、土木のスケールの大きさを感じます。

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東京湾に浮かぶ(?)『海ほたる』から、川崎方面を望みましたが靄がかかっていました。東京湾を往来する船が多いことに気がつきます。
初めて『海ほたるPA』に立ち寄りましたが、『土木』の面では感動しますが、もう少し人間に近い『建築』スケールで見ると、もっと魅力的な空間にする方法があったのではと思います。
つれづれに  | Comments(2) | Trackback(0)
2009/06/21

明日からは房総半島のことなど

金曜日、土曜日と房総半島の南を廻り、池原先生が設計された建物を訪ねました。白浜町では白浜中学校を、勝浦では病院と院長先生の住宅を垣間見、大多喜町では、今井兼次先生のもとで設計を担当された大多喜町役場を見学させていただきました。
白浜中学校では突然の訪問にもかかわらず、快く見学させていただきました。しかし、今年度いっぱいで、この校舎が解体されると伺い、残念でなりません。来年度からは、建設中の新校舎に移るようです。
大多喜町役場では、この春庁舎設計のコンペがあり、応募案が展示されていました。

詳細については、月曜日からのブログで記したいと思います。

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今日は、事務所のある団地の月に一回の『グリーンディ』でした。
芝生の中に生えた雑草を抜きながら、見てきたばかりの白浜中学校の中庭のお話をさせていただきました。クローバーのなかに、ねじり花などいろいろな雑草が生えていて、気持ちのよい広場でした。おそらく、少し前はタンポポでいっぱいだったことでしょう。
平均年齢が高くなり、雑草を抜く作業もつらくなります。団地の前庭も『芝生』にこだわらなくても良いかもしれないと思います。

つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/18

二人の考えを検討できる利点

住宅の改修案で、♂と♀の考え方が違うこともしばしばです。考え方を詰め、一案に絞ることもありますが、クライアントさんに、2案提示することもあります。
それぞれの利点と欠点をお伝えし、クライアントさんにとって良い方向になるよう、進めることになります。

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テキスタイル教室での最初の作品です。与えられたテーマが『花』でした。薄手の少し張りのある木綿の生地のカーテンをイメージしています。
花の芯は紺色 B72-30H 花と葉のグレー BN-70とBN-65の中間くらい。ともに日塗工の番号です。
ベースの白にはこだわりました。いろいろ探したのですが、これはという色を見つけることができませんでした。

DICの色見本帳でなく、建築の塗装屋さんが使うことの多い日塗工の色見本長に近い色があるということは・・・。見慣れた色を選んだということでしょうか。

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2009/06/17

敷地を知ること

戸建て住宅の耐震補強を含むリフォームの依頼を受け、住まいを見せていただく機会がありました。
床が傾いていることに気がつき、計測すると8畳くらいの部屋の対角線で8cmも下がっています。ジャッキアップし、基礎から直す必要がありそうです。

建物を建てる場合、どのような土地なのかを知ることが最も大切なことの一つです。
土を盛り造成した敷地では、年月とともに地盤が沈下することがあります。場合によっては、地盤改良、杭などの対策が必要になることもあります。

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大きな玄関ですが、来客の多い2世帯住宅の増築案です。クライアントさんは、大きな机がある書斎と、広々とした玄関を気に入っておられました。しかし、ホームエレベーターを取り止めることになったため、実現しなかった案です。

既存建物の図面の上にトレーシングペーパーをあて、鉛筆でスケッチしています。♂♀の場合、CADで描くより、鉛筆で描くほうが柔らかい案が出てくるような気がしています。
仕事 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/16

Less and More

府中市美術館で『純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代』とし、工業デザイナーのディーター・ラムスの仕事を紹介しています。40年にもわたり、ドイツの家電メーカー・BRAUN社の製品をデザイン・監修してきたようです。BRAUN社の携帯用の時計、電卓、家電などご存知の方が多いのではないでしょうか。

『Less and More』という考えでデザイン・監修した多くの製品は、シンプルで形の美しさが際立ち、現在でも新鮮です。材料、ディテールなど妥協なく突き詰めたデザインですが、形に厳しさはなく、暖かさを感じます。

7月20日まで開催されています。デザインに興味をお持ちの方には、見逃せない展覧会かもしれません。

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804ページにもなるカタログの最後のページで、ディーター・ラムスは『LESS BUT BETTER』と書いています。

   もう少し
          
展覧会 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/15

マスコミに取り上げられなくなってきたけれど、忘れてはならないこと

雑談の中で『アスベスト』の話題が出ました。久しぶりです。一時期は、毎日のように報道されていましたが・・・。

マスコミにとりあげられることは少なくなりましたが、『アスベスト』問題が解決したわけではありません。最近では使われることがありませんが、住宅の改修の現場にあっては『アスベスト』の有無が、コスト・工程に大きく影響してきます。

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思いもかけない風景に出会うことがあります。スケッチを描くこともありますが、カメラで風景を切り取りたい時もあります。

最近では、デジタルカメラの場合がほとんどですが、日経トレンディの記事のトイカメラに少し惹かれています。
かつては、雑誌の付録のピンホールカメラの映像にドキドキしたり、ポラロイドカメラで撮影後の現像液が染みた印画紙を振った(意味がなかったようですが。)ものでした。

つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/12

断熱の方法

木造住宅の断熱についてのお話を聞いてきました。
特に木造住宅では、柱など木部の腐食の原因となる、壁の中の結露が大きな問題になります。それを防ぐための『断熱の方法』は、設計の際検討しなければならない重要事項です。

先日は、建物の構造を断熱材でくるんでしまう外断熱の本を読みました。今日の、お話はその本では否定されていた内断熱(柱の厚みの中での断熱)でした。
一概にどちらが良いと言い切れないというのが感想です。どのような場所に建てるのか、建物の形などで適切な方法が違ってきそうです。

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小雨の日、庭に『もわもわ』した植物があることに気がつきました。何の花か聞くと『翁(おきな)草』とのこと。ひっそりとした花の後の『もわもわ』した様子に、翁草といわれる所以がわかったような気がしています。
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/11

見ることができなかった展覧会 『国宝 阿修羅展』

上野の東京国立博物館平成館で開催されていた『国宝 阿修羅展』が、6月7日、94万人を超える入場者を記録して終えたようです。
混雑が伝えられていたので、見ることは断念しましたが、一日1万5千人を超える入場者があったことになり驚いています。

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国宝とは全く無縁ですが・・・。優しい顔をしていることに気がつきました。
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/10

団地再生のために

関東も梅雨入りしたようです。
濡れることを考えると『自宅から、事務所まで歩く』のが少し億劫になります。
歩くためには、雨でも楽しくなるよう、おしゃれなレインコートと歩きやすい靴が要りそうです。

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最近届いた日経アーキテクチュアの特集は『団地再生に挑む』です。内容については、いろいろなメディアで報じられていることもあり、特に目新しいものはありませんでしたが、『団地再生』について考えるきっかけになりました。

事務所でも、団地のリフォームを依頼されることがあります。団地の中には、エアコンの配管用の開口が無い、洗濯機の排水口が無い、洗面所に給湯の配管が無いなど現状の生活感覚にそぐわないような建物があります。
年月を経た団地は、周辺の環境が良いことも多く、そのような建築的な問題が解決されるならば、若い世代が入居するようになるのではと思っています。

場合によっては、調査検討、管理規約の見直しなどが必要ではないでしょうか。
集まって住む | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/09

写真データーの復元成功!

さっそく復元ソフトと、ついでに外付けのハードディスクを買い求め、削除した写真のデーターを取り戻すべく挑戦しました。

データーを、ウィンドウズの『ゴミ箱』から削除しても、ハードディスクには残っていると聞いたことはあります。しかし、検索により出てきた、削除したつもりのデーターのリストの多さを目の当たりにし驚いています。

写真は半分くらい救出できました。良しとしましょう。

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救出仕切れなかった写真データーが、思いもかけない映像で現れました。これは『窓かな?』と想像がつきますが、テキスタイルに使えそうなデザインになっているものもあり、偶然を楽しむことにしました。
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/08

一期一会

・・・青森と弘前の写真データーを、不注意で消去してしまいました。
写真も『一期一会』、しみじみと感じています。

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埼玉から青森へ向うと、季節を遡っているように感じます。高い場所では、新緑の柔らかな緑でした。
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/05

しっとりとした空間

洋館を見る場合、家具のレイアウトとともに、壁紙と空間の印象を見ることが多いようです。

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青森県弘前市の県重宝に指定されている『旧東奥義塾外人教師館』の主寝室です。『白い空間』では難しいことが多い、しっとりとした落ち着いた空間になっているように思います。

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2009/06/04

シックハウス症候群になりにくい家

インターネットの設計コンペサイトを覗いたら『シックハウスのない家』という条件で、設計者を求めていました。シックハウスについては、現在でもわかっていないことも多く、厳しい条件だなあというのが感想です。
最近の建築材料のほとんどは、☆☆☆☆(フォースター)のマークがしるされ、数種類の指定された化学物質が、基準値以下になっています。しかし、それ以外の化学物質が使われています。また、自然にある材料を使えば、すべて解決されるわけでもないようです。
現状では『シックハウス症候群になりにくい家』が限度かもしれないと思っています。

『シックハウス症候群になりにくい家』では、安価で一般的に流通している合板等を使わず、比較的安全とされる、自然系の材料を使うことになります。そのような材料は、比較的高価で、施工も割高になるのが現状です。
シックハウスの原因が解明され、安全で施工がしやすくコスト面でも、大きな負担にならないような材料の開発が望まれます。

コンペという形ではなく、クライアントさんと対話しながら設計を進める場合、『シックハウス症候群になりにくい家』を作ることができるような気がしています。

弘前 教会 382

良く晴れた日に運転する場合、特に右腕が太陽に晒されます。
♀は、太陽に泣かされます。
長袖のシャツを着たり、日焼け止めを塗って運転するようにしていますが、無防備に日に当たると、蕁麻疹のようになってしまいます。母もそのようで、体質なのかもしれません。
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
2009/06/03

『顔』の魅力

青森県の弘前市には、33の禅宗寺院が集まっている『禅林街』と言われる一画があります。弘前城築城の折、鬼門を守るため津軽一円から曹洞宗の寺院を結集させたようです。
そこの最も奥まった場所に、本堂をはじめ6施設が国指定重要文化財に指定されている津軽氏の菩提寺の長勝寺があります。
改修が終わった本堂の『こけら葺き』の美しさに目を見張ります。

五百羅漢

長勝寺の木彫りの五百羅漢です。つい顔に見入ってしまいます。

もう少し 禅林街
つれづれに  | Comments(0) | Trackback(0)
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