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2008/08/19

三渓園 2

三渓園は明治時代に生糸貿易で財をなした実業家 原三渓の元邸宅です。

原三渓は、西洋建築がもてはやされた時代、京都、鎌倉等から歴史的価値のある日本建築を移築し、明治39年、『無料』で一般に公開しました。
また、横山大観に絵を描かせ、小林古径、前田青邨など若い芸術家に、所有する美術品を見る機会を与える等の支援するなど、日本の文化に貢献しました。

さらに、アジアで初めてノーベル文学賞を受賞したインドの詩人タゴールも滞在し、この環境に影響を受けたようです。

三渓園 042

写真は、特別公開された建物の一つ、国指定重要文化財の臨春閣です。数奇屋風書院造で、1649年、和歌山県岩出市に建てられた紀州徳川家の夏の別荘を、1917年(大正6年)移築したもので、京都の桂離宮とも対比されることもあるようです。
柱・梁の構造で、障子・襖等の建具で間仕切られており、夏の別荘にふさわしく開放感があります。

柱、梁、建具による従来の日本の建築は、風土に根ざしたものと言えますが、現況の建築法規では建設することが大変難しくなります。耐震上の制限によるところが大きいのですが、残念なことです。



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